工房だ？ただの量産ラインだろ！

以前にあやつが勝手に作った、わしの人生のアップダウングラフを覚えておるか？

わしの45歳の時のへこみ。これは、確かにあやつの死に起因しとる。

しかしそれは、決してあやつが言っておったように強敵書いてトモと読む北斗理論で、友の喪失を嘆いたからではない。

とはいうもののラオウの最期はよかったわい。これさえ読んでおけばおぬしの生涯に一片の悔いなしじゃ！



あやつは、死後もわしにイライラの種を残して逝きおったんじゃ！！！そのイライラの種というのがあやつの工房じゃ。

あやつは生前、持ち前のコミュ力（といえば聞こえはいいが、要は手練手管の技じゃな）を最大限に生かして、超がつくほど大規模な工房を構えておった。弟子を取るだけでなく、よその工房をそのまま吸収合併するようなこともしておったんじゃ。

そして、あやつ自身は「制作総指揮」という、まるでハリウッドの著名監督のような立場に着きおった。つまり、あやつは「原案」の提供と調整役に奔走し、実際の制作作業は弟子たちがやっておったようじゃ。

その工房というのが、また実に見事な連係プレーで、しかも、あやつの名声に惹かれ、またはあやつが金にものを言わせて雇ったレベルの高いやつらが、良作をどんどん発表していったんじゃ。

じゃが、こうなってくると、絵に哲学も美学もありゃあせん。前にも行ったが、芸術とは創造性じゃ。ただ、注文をさばくための絵ではだめじゃ。工房で働く画家たちの技術が高かろう、あやつらの中には人生を危険にさらして革新的なことに取り組んでやろうという気骨のある奴はおりゃあせんかった。

りりぽんには気概があると思うとる。

あやつの死後、工房は解散となり、独り立ちした弟子たちがローマ画壇を支配したのは、わしを心底いらいらさせた。これで、わしの寿命も10年は縮んだんじゃないかと思うほどじゃった。

そして、さらにわしをいら立たせ続けたのは、あやつの影響力がその後数世紀にわたって続くいたことじゃ。これは、常に自由と議論を求める芸術によってゆゆしき事態じゃっ・・・・

ガチャ！ガコッ！バスッ！！

何をする・・・うおぉぉぉっ～！！！！！！！！！

	7月6日午後12：05、確保！！
	やっぱりここにいたのね。
	おぬしら！？なぜ、ここだと！？
	プロバイダのサーバーをハッキングして、IPアドレスから居場所を突き止めたのよ。
	おぬし、さらっと言っとるが、それは犯罪行為じゃぞ！天賦の才をそんなことに使うな！！
	まあ、まあ、三毛さんも僕のブログを乗っ取ってたわけですし。でも、やっぱりダヴィンチさんの言う通りでしたね。
	あら、三毛のプライドの高さは周知の事実だもの。
	む？何の話じゃ！？
	対談のために、天界じゅう三毛さんを探したんだけど、どこにも見つからなくてダヴィンチさんに相談したら、ブログで軽くディスれば、絶対報復に来るって教えてくれたんだ。
	名付けて、「飛んで火にいる夏の三毛」作戦よ。まさか、ここまであっさりと引っかかるとは思わなかったけどね。
	くそ～！このミケランジェロ一生の不覚！！さらに、おぬしら、三毛、三毛と人を猫のように！！
	とにかく迷子の子猫が見つかってよかったわ！さ～、一緒におうちに帰りまちょうね～
	そうそう、お話したいことがたくさんあるんですよ。
	わしをどうする気じゃ！？
	まあ、僕の見解と、三毛さんの見解が食い違ってるところがいくつかあったので、そのあたりをきちんと確認していきたいなと・・・。たとえば、「わしは（中略）ちょい悪オヤジでもあるが・・・」の所とかね。
	え？あんたがどうしても正したい三毛の主張ってそこなの！？もっと他にあるでしょ？
	自信を持って断言しよう。わしはちょい悪おやじじゃ。レオンを欠かさず購読しておる。

そうなの！？すごく意外なんだけど！？？般若心経とか読んでそうなイメージだけど・・・

	まあ、その話はそれくらいでいいじゃない。ところで、三毛。あたしは今回の件で、あんたにはちょっとがっかりしたのよ。
	はなから、おぬしを喜ばそうと思って話しておらん。
	むかつく～！！このへそ曲がり！
	まあ、三毛さんのへそ曲がりは今に始まったことじゃないですから。
	おぬし、今さらっとわしを罵りおったな。
	ラファエロはねぇ、あんたのことを全然罵ってなんかないわよ。むしろその逆！あたしはこの子に、ブログでコテンパンにやり玉に挙げてやれっていったのに、実際、この子はあんたのこと結構褒めてたじゃない！
	さっきは「軽くディスれ」と言われと、ラファエロは言っておったが・・・
	それは、この子が極めたコミュ力神拳奥義「オブラート包み」よ！
	まぁ、いずれにせよ、褒める要素の無いもんを褒めるのは不可能じゃ。
	あ、でも、三毛さんは僕の工房の連携の良さとか、メンバーのレベルとか褒めてくれてたよ。
	ラファエロ、あんたどこまで優しいのよ。
	僕は、三毛さんのことを本当に尊敬しているから、ちょっとでも褒められるとすごく嬉しいんだ。
	じーん。おぬし、わしのことをそんなにも・・・。よし、わかった。わしも心を入れ替えよう。
	まさか、あまりにも優しいラファエロの言葉が、凍てつき、ひねくれ曲がった三毛の心を溶かしたの！？
	・・・とでもいうと思ったか、馬鹿めが！なんなんじゃ、おぬしらは。もういい。わしはもう帰るぞ！

・・・しばらくのち・・・

ほんとに頑固ね、あの男は。

三毛さんも、いなくなっちゃったし、今回はこれくらいにしますか。

そうね。あ～むしゃくしゃするから、一杯のみに行くわよ！付き合いなさい。

いいですね～。 それじゃあ、今度また三毛さんを捕まえたら、改めてみんなにも紹介するね。Ciao!

バタン！

飲みに行くならわしも誘え！馬鹿めが！

	あんた、まだいたの？
	紹介の日は、意外と近いかも。