Ciao!こんにちは。今日は、嬉しいサプライズ!なんとレオナルド ダヴィンチさんが遊びに来てくれたよ。 | |
あんたが無理やり連れてきたんでしょうが!こんなところで遊んでるほど暇じゃないのよ、アタシは。 | |
まあ、そういわずに。 ダヴィンチさんといえば、世界一有名な画家といっても過言じゃないよね。だから、みんなの中には、彼のある程度のイメージがあると思うんだけど、今日はどうかそのイメージ捨てて心の準備をしておいてね。なぜな・・・ | |
何よ、その言い草は!アタシが読者のイメージを台無しにしちゃうみたいじゃない。 | |
え?いやぁ・・・「台無しに」なんて思ってないけど、みんなの思い描いているのとは若干の誤差というか・・・ |
アタシのイメージをアタシが壊すって何よ!誰がどんな先入観で見てるのかは知らないけどね、アタシは昔からずっとこうだったんだから! | |
え?でも生きてる時は違ったよね?もっと男性的だったっていうか、落ち着いていたというか。 | |
確かに、見た目や話し方は男性的だったかもしれないけど、あたしのやりたかった方向性はずっとこうなのよ。一回死んで、いろんなしがらみから解放されて、それからは好きにやってるわ。 | |
つまり、女性になりたかったってこと?生きているときから同性愛の傾向があったっていう噂もあるし。 | |
ちがーう!違うわよ!なんでそうなるわけ?別にアタシは同性愛に偏見なんて持ってないけど、アタシの言ってる「方向性」っていうのはセクシャルな意味じゃないわよ! | |
ごめん。話が見えてこない。 | |
つまり、境界線にとらわれるのが嫌ってことよ。例えばアタシ、自分のことを画家だと思ってないから。 | |
じゃあ何だと思ってるの? | |
アタシは、画家であり、発明家であり、思想家であり、医学者なの。画家だから絵しか描かない、発明家だから発明品しか作らないなんてつまらないじゃない。性別も同じよ。男だからこう、女だからこう、なんて馬鹿らしいじゃない。アタシはすべての垣根を越えていきたいのよ。 | |
そういうことか!万能人って言われてたもんね。でもやっぱりダヴィンチさんといえば絵描きとして有名だと思うんだけどなぁ。 | |
まあ、それは仕方ないけど。でもね、アタシは絵を描くときにも自分の信念を貫いてたのよ。 | |
絵で信念を貫くってどういうこと? | |
物事っていうのは、ここからここまでっていう明確な境界がない物でしょ? | |
たしかに、だいたい何にでもグレーゾーンがあるよね。白から黒へのグラデーション的な。今のダヴィンチさんをグラデーションで表すなら、限りなく変態に近い天才といえるね。いや待てよ。むしろ逆か・・・。 | |
あんた、アタシに喧嘩売ってるの?(怒) | |
まぁまぁ。話を続けてよ。 | |
あんたもアタシの絵をよく研究してたんだから知ってるでしょう?スフマートの事よ! | |
ダヴィンチさんが編み出した究極のぼかし術のことだね。モナリザの不思議な印象はこのぼかし術のおかげって言われてるね。もしかして、モナリザが男性にも女性にも見えるのも、ダヴィンチさんの境界を取っ払いたいっていう考えから来ているの? |
Leonardo da Vinci, Mona Lisa, Louvre |
うーん、それはよく言われるんだけどね、ちょっと違うのよ。アタシがあの絵でやりたかったことは3つだけなの。まず第一に、究極のぼかし方の完成。 | |
さっき言ったスフマートのことだね。スフマートとスマーフはちょっと似てるからみんな間違えないでね。 |
左:スマーフ 右:スフマート |
・・・間違える人、いるかしら? | |
まぁまぁ(笑)それで、モナリザで狙った次の効果は? | |
空気を透過する光の色の変化を利用した遠近法の完成。 | |
手前の風景を黄色っぽく、奥を青っぽくかすませる空気遠近法のことだね。 | |
そして最後に、美しい構図の追求よ。 | |
確かに、あの構図は美しいね。僕も参考にさせてもらったことがあるよ。 |
Leonardo da Vinci, Mona Lisa, Louvre
Raphael, Young Woman with Unicorn, Galleria Borghese
|
あんたって、結構大胆にパクるのね。時代が時代だったら、盗作騒動にってたわよ。 | |
これはパクリじゃなくて、オマージュさ(にっこり) | |
さすが、画家ながらに枢機卿のポストを狙ってたと言われるだけあって、鉄のメンタルの持ち主ね。 モナリザに関しては、後の世でいろんな解釈がされてるけど、アタシがあの絵でしたかったことはこの3つだけよ。 | |
そうなの?絵の中に秘密のメッセージが隠されてるとか、見る者を狂気へいざなうとか逸話のたえない絵だから、もっと深いお話があるのかと思ってた。ちょっと肩透かしだったよ。 | |
浅い話で悪かったわね。だいたいねぇ、あの絵にはアタシとは関係のない逸話が多すぎるのよ。1911年の盗難騒動しかり。 | |
発見は絶望的って言われてたけど、2年後にイタリアで見つかったんだよね。 | |
展示中に酸を浴びせられたり、石を投げられたり。 | |
それで今は防弾ガラスで守られてるんだよね。 | |
価値を算定しようとしたら、ものすごい額が付いたとか。 | |
余りにも価値がありすぎて保険に入れなかったんだよね。 | |
そういう逸話の数々が、あの絵に仰々しいイメージを与えてるんだと思うんだけど、でもそれって全部あの絵がアタシの手を離れてからの事でしょう。 | |
イメージだけが先行してると? | |
まあ、見る人の想像力を責められはしないけどね。でも当時は、売れずにずっと手元にあった作品なのよ。 | |
たしかイタリア時代に売れずに、フランスに引っ越した時も持って行ったんだっけ?だからルーブルにあるんだね。 | |
そう。死の直前まで手元に置いてたのよ。だから生涯をかけて、いろんな技法の実験台にしてやったの! | |
それで、ぼかし、遠近法、構図のどれをとっても極限まで研ぎ澄まされた絵が完成したんだね。あ、だからこそ20世紀に入ってから評価されるようになったんじゃない? | |
どういうこと? | |
僕たちの時代って、美術館もなかったし、絵は教会や貴族の館に掛けられることを想定して作ってたでしょ?だから、メッセージ性が必要だったじゃない。依頼主の要望に答えたり、彼らを賞賛する様に描かないといけなかったじゃない。モナリザはそういうのがなくてニュートラルだし、テクニックが凝縮されてるから絵の勉強にもなる。だから今の時代に合ってるのかも。 | |
なるほどねー。でも、まぁ、それもあんたの一説にすぎないから、この絵の解釈については、アタシからはノーコメントってことで。 | |
芸術も男もミステリアスなほうが魅力的だからね!ダヴィンチさん、わかってるぅ~! | |
何よそれ?とにかく、モナリザの話はこれでおしまいよ。 | |
あ、ちょっと待って!ダヴィンチさんに聞きたいことは他にもあるんだ。対談は次回も続くよ。 | |
まだ続くの?聞いてないわよ! | |
それじゃあまたね。A presto! |
クリックして応援してもらえると嬉しいな。
にほんブログ村
raphaelraphaelraphaelraphaelraphaelraphaelraphaelraphaelraphaelraphaelraphael
0 件のコメント:
コメントを投稿