さて、前々回は、三毛さん捕獲の一件で全く触れる機会がなかったんだけど、三毛さんがブログを乗っ取ってる間にローマに行ってきたよ。
思い出がたくさん詰まったローマ!僕の住んでいたころと変らない部分ももちろんあるけど、やっぱり変わった部分の方が大きいなぁ。
その一つが、ベルニーニさんの作品群。今じゃ、ローマの有名な見どころで彼の作品を目にしないのは、トレビの泉と真実の口くらいだけど、彼はバロック期の芸術家だから、僕の生きた時代にはまだなかったんだ。
僕が設計した礼拝堂に彼の彫刻が飾られたりと、微妙に縁はあるんだけどね。
そんなわけで、今回はベルニーニさんの作品を楽しみながらローマの街を回ってみたよ。名付けて「ベルニーニ☆ラリー」。みんなも、時間があるときにやってみてね~。
※7月は、暑さで気持ちが折れそうだったよ!涼しい季節がおすすめだよ。
チェックポイント1:聖テレジアの法悦
9月20日通りという覚えやすい名前の通り沿いにある、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会。教会の名前は長くて覚えにくいね。
ベルニーニ☆ラリーひとつ目の作品はここに有るよ。
9/20通りにあるS.M.D.V教会 9月20日はローマがヴァチカンの支配から外れ イタリアに編入された日。1870年の出来事。 |
バロック期の芸術家や建築家って、人を驚かすのが大好きだったみたい。そして、見る側もサプライズ大歓迎な時代。そんな供給と需要のバランスだから、バロック期は「衝撃的」「劇的」「思い切りやる」っていうのが芸術と建築のトレンドだったんだよ。
こってり装飾された身廊と中央祭壇 |
そんなイケイケな教会の奥、コルナロ礼拝堂に鎮座するのがベルニーニさん一番の代表作ともいえる「聖・テレジアの法悦」。ベルニーニさん54歳の時の傑作。
Bernini, Ecstasy of Saint Teresa1647-1652(middle) Cardinals of the Venetian Cornaro family (right) |
作品自身も教会に劣らず衝撃的。なんたって「法悦」は原題では「エクスタシィ」だからね。とはいえ、卑猥系とかお薬系のアブナイ作品じゃないから大丈夫だよ。お子様からお年寄りまで安心してお楽しみいただけます。
絶賛失神中のテレジアさん。 力なく垂れた手が、なまめかしい。 1515年生まれ 1622年列聖 |
天使のこのにやけ面は、もはや小悪魔。 |
僕は、失神してる聖テレジアより、それを見おろしてニヤニヤしている天使の方がよっぽどエロく感じるけど、君はどう思う?
この「宗教的絶頂体験」は、テレジアさんの著書では、下のように説明されているよ。
彼の手には黄金の槍が見えました。切っ先には小さな火がともっているように見えます。彼は私の前に現れ、私の心臓へとそれを突き刺しました。まさに内臓を突き刺したのです。彼が槍を引き抜くとき、それらも持って行かれたようでした。そして、私の体は、神の大いなる愛によって燃えるような感覚が残りました。その痛みは激しく、私は悶えました。しかし、その尋常ではない痛みの甘美さゆえ、私はそれを取り除きたいとは思えませんでした。火がともった槍で刺され、内臓を持って行かれて、体が焼かれてるように感じるのに、その痛みが甘美??・・・つまり、テレジアさんはドMだったってことでOKかな?
この像が置いてあるコルナロ礼拝堂は設計から、その他の彫像や装飾までベルニーニさんが手がけたんだ。本当に美しい場所だよ。彼の天にも昇る神業を目にしたら、キミも昇天しちゃうかも♪
教会へのアクセスはこちら
Termini駅から徒歩10分
メトロRepubblica駅から徒歩5分
バス 61/62/85/150F/492
住所:Via Venti Settembre, 17, 00187 Roma
開館時間:8:30~12:00 / 15:30~18:00
見学無料
それじゃあ、またね。Ciao!
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