カズコさんとのパリ美術館巡りの旅の最終日に行ったのが、パリのピカソ美術館。
でも、この時僕は風邪をひいちゃって頭がぼーっとしてたから、何を見たかあんまり覚えてないんだよね。なので、今回はアクセスの仕方とか、主要作品をさらっと触れるだけにしておくね。
アクセス
メトロ:1番線Saint-Paul駅 下車徒歩10分弱
8番線Saint-Sébastien-Froissart駅 または Chemin Vert駅 下車徒歩5分
バス:20, 29, 65, 75, 69, 96
住所:5 Rue de Thorigny, 75003 Paris, France
営業時間:平日10:30~18:00, 週末9:30~18:00(フランスの学校が休みの期間は平日も同じ)
休館日:月曜日, 1/1, 5/1, 12/25
Webサイト:http://www.museepicassoparis.fr/en/
お得情報:ミュージアムパス使用可/18歳まで無料/EEA在住の26歳未満無料/第一日曜日無料解放
1.歴史
美術館は17世紀に塩の税金徴収官によって建てられた建物を使っていているんだ。建物が「塩の館」と呼ばれているのはそのためだよ。その後は、売却されたり相続されたりしながら改築が加えられ、一時は学校になっていたこともあるんだ。(バルザックが通ってたとか通ってなかったとか)
ピカソさんの作品は死後すぐに相続税を物納する形で国に譲渡されるのが決まっていたんだけど、その展示場所を決めるためのコンペで選ばれたのがこの「塩の館」だったってわけ。
リフォームが終わって、美術館として開館したのが1985年。オルセー美術館開館の1年前だね。
世界各地にある「ピカソ美術館」の中でも、コレクションの量は群を抜いて豊富だし、一人の画家の作品を集めた美術館としても世界最大級なんだって。そのコレクション数は5000以上。絵画、彫刻、陶器、手紙などの文書からなるよ。
2.コレクション
ピカソさんといえば、こんな絵を思い浮かべる人も多いんじゃないかと思うけど、
Pablo Picasso, The Weeping Woman, Tate Modern 「泣く女」この絵はロンドンのテート・モダンにあるよ |
実は、彼も、澤井先生と同じように作風の変化が激しい人で、いろんな画風の絵を描いているんだよ。
澤井啓夫先生 画風の変遷 |
この美術館の代表作の一つは、上の泣く女とは全然違う画風だよ。こんな時代もあったってことだね。
Pabli Picasso, Olga in an armchair 1917-1918年 |
Pablo Picasso, Self portraite 1901年 |
恋人ができて、やっと気持ちの整理がついたのか、薔薇の時代が始まる。この辺りの作品、あったかな?よく覚えてないや・・・。
そして、アフリカ彫刻の影響を受けながら、新たな造形方法を探し始めていた時代を経て
Pablo Picasso, Study for "Les Demoiselles d'Avignon" アヴィニヨンの娘たちの習作。 1907年 |
Pablo Picasso, Les Demoiselles d'Avignon 完成品はニューヨークのMoMAにあるよ 1907年 |
行きついたのがキュビズムの世界。ギターとか、酒瓶にはまってたイメージ。
Still Life with a Bottle of Rum, Met メトロポリタンにある、ラムの酒瓶を描いた作品 1911年 |
分解と再構築がテーマなんだけど、再構築しきれていないように見えるのは僕だけ?
Ma jolie, MoMA 再構築、できてる? 1911-1912年 |
この時代の絵は、ぱっと見て、何を描いているのかわかりにくいんだけど、そこから、わかりやすい方面にいったん戻してくるのが次の時期。最初に見せたオルガの肖像もこのころの作品。
その後、全体的にぷっくりした量感が特徴の時代に突入。
Two Women Running on the Beach (The Race) 1922年 |
そこからまた、非現実の彼方へと旅を始める。
Woman in an armchair 1929年 |
ゲルニカはもう少し後に描かれ作品なんだけど、
製作中のゲルニカの写真 1937年 |
このゲルニカの写真を撮ったのが、恋人で写真家だったドラ・マールさん。泣く女のモデルも務めた人だよ。
Portrait Of Dora Maar 1937年 |
何人かの彼女と付き合って、正妻オルガさんの死後に別の女性と結婚してるよ。
3.企画展
2017/9/3まで最初の妻であるオルガさんに焦点を当てた企画展が催されてるよ。
ピカソさんの絵を通してオルガという一人の女性を見ていくって企画なんだけど、いかんせんピカソさんが途中から不倫の道に走るから、最期の方は描かれ方がひどかったのが可哀想だね。
ウクライナ出身でバレリーナだったオルガさんは、1917年にピカソさんと出会う。ピカソさんが彼女の所属するバレエ団のコスチュームをデザインたのが縁みたい。
でも、その年にロシア革命が起き、オルガさんは家族と音信不通になってしまうんだ。そんな大変な時期を乗り越え、1918年に二人は結婚。1921年には息子のパウロが誕生する。
このころの絵は、温かい、愛があふれる作品なんだけど
ピカソさんの不倫が始まると、その絵も激変する。
そう、さっき紹介した肘掛椅子に座る女性の絵は、愛人を持ったピカソさんの目から見たオルガさんの姿だったんだ。
出会った頃に描いたオルガさん。 上の絵との差が・・・ |
彼女は1955年に亡くなるまで、不倫三昧の夫と別居状態で暮らすんだ。オルガさんが離婚を望まなかったのと、離婚時の財産分与(財産の半分を元妻に譲渡)にピカソさん納得がいかなかったっていうのが理由みたい。
さてと、ピカソさんのゲスっぷりには引いたけど、内容的には、すごく満足いく企画展だったよ。機会があったら、ぜひ行ってみてね~。
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