2017/06/01

ミケランジェロさんの代表作


ミケランジェロ、アダムの創造

Ciao!こんにちは。

以前に、ダヴィンチさんが対談に来てくれたことは覚えてるかな?
ダヴィンチさんと対談1

今回は、ルネサンス三傑の一人(もちろんもう一人は僕ね)のミケランジェロさんも招こうと思って、天界中探したんだけど、見つからなかったんだ。どこ行っちゃったんだろ?

というわけで、仕方がないから僕が3回に渡って一人でミケランジェロさんの作品について語ることにしたよ。


1.代表作
まず、ミケランジェロさんが僕やダヴィンチさんと大きく違うところは、彼が彫刻家ベースの芸術家だったってことだね。だから、代表作もダヴィデ像やピエタ、お墓の装飾像の数々など3Dなものが多いんだ。

例えば、このピエタ。
ミケランジェロ、ピエタ
Michelangelo, Pietà, St. Peter's Basilica

00年代のセカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)ブームを予見したかのようなこのポーズ!男女が逆だけど、「誰か助けてください!」って声が聞こえてきそうだね。

それにしても、この作品のマリア様って、若すぎると思わない?キリストの死亡時のマリア様の年齢はアラフィフだったはずだから、この像は明らかに若すぎるわけなんだけど、これはミケランジェロさんが固執ともいえるほどこだわっていた聖人の絶対的同時性という概念が理由なんだ。

簡単にいうと、「聖なるものは時空を超える」ってことだね。つまり、聖なるものは時間から離れた存在だから、未来も過去もない。だから、生きた時代が違っていても、同時に存在することは可能だし、親子のように年齢の差があっても、双方とも若さを保つことが可能なわけ。

さらに、俗っぽさを消して神々しさを増すために、表面もつやつやになるまで加工して、人間の手が加えられた痕跡を出来るだけ消そうともしたんだよ。

ミケランジェロ、ピエタ(部分)
ツヤツヤ滑らかな表面

これも彼一流のこだわりで、芸術家の仕事は切り出されてきたままの大理石の中に既に存在する「美」(像)から、「覆いをとる」(周りの石を削って掘り出す)ことだとっていう信念からなんだ。

その主張を裏付けるポエムがあるから、ここでこっそり公開しちゃうね!

最高の芸術家はいかなる着想も持たない
唯一大理石が自らのうちに境界を定めた
形象のほかには
Non ha l'ottimo artista alcun concetto
ch'un marmo solo in se non circoscriva
col suo superchio

ポエムっちゃってるね。これ、自分だったらきついなー。

でもね、ここまで「自分が作ったんじゃありませんよ」感を出しておきながら、ミケランジェロさんったら、作品にちゃっかりサインしちゃってるの。

ミケランジェロ、ピエタ(署名部分)
MICHAEL・AGELVS・BONAROTOVS・FLORENT・FACIEBAT
フィレンツェのミケランジェロ・ブオナローティ作
とマリア様の帯にラテン語で堂々とサイン

普段はサインしない人なのに、なにこの自己矛盾!?まあ、わからないでもないけど・・・。

ラファエロ、聖母の結婚(署名部分)
Raphael, The Engagement of Virgin Mary, Brera
僕も「ウルビーノのラファエロ」と
堂々とサインしたことあるけど・・・

きっと作品の出来によっぽど満足してたんだね。うん。わかるわかる。でも、こういうことしてると・・・

諌山一先生、進撃の巨人、ハンジさん名言
諌山創先生、進撃の巨人22巻より

って言われちゃうからね。

続いては、ダヴィデ像!
ミケランジェロ、ダヴィデ
Michelangelo, David,
Galleria dell'Accademia
投石機片手に、ゴリアテにメンチきるダヴィデ

ダヴィデというのは、石を投げて巨人ゴリアテをやっつけた羊飼いの少年なんだけど、この像は、どう見てもそんじょそこらの羊飼いとは思えないほどの、ライザップ感だね。年齢的にも、少年の域を超えてるし。

ちなみに伝説的彫刻家ドナテロさんが作った模範的なダヴィデ像がこちら。

ドナテロ、ダヴィデ
Donatello, David, Bargello
少年の姿で、勝利後の場面を主題にすることが多い

ダヴィデは最終的に王様にまで上り詰めた人だから、ミケランジェロさんはそのころの姿を想像して作ったんだろうね。これも、彼が言うところの「絶対的同時性」のなせる業なのさ。

ただ、ミケランジェロさんは無類の筋肉好きだから、筋肉を表現したかっただけって気もするけど・・・。まあ、このことについては、次回改めて語ることにするよ。

さて、話を戻そう。いまやミケランジェロさんの代表作となっているこの像だけど、もともとは別の人が作る予定だったんだよ。その人は、ドゥッチョさんといって、ドナテロさんの弟子のひとりだったんだ。

でも、彼が途中で仕事を放棄しちゃったから、石だけが現場に帆地されてたんだ。当時は、仕事を途中で辞めちゃう芸術家は親の顔より見た光景だったから、こういうこともよくあったんだよ。

こういうのって、既にお金を払て石を買っちゃってる運営側からすると迷惑な話で、せっかく買った高級石材を無駄にしないために運営側が新たな制作者を探して、なんやかんやあってミケランジェロさんのところに依頼が舞い込んできたんだよ。

まあ、そんなチャンスを最大限に生かして名をあげるたミケランジェロさん、持ってるねぇ。

ミケランジェロ、ダヴィデ(部分)
メンチきる目がハートなダヴィデ


さぁ、ここまでミケランジェロさんの代表作ともいえる彫刻を見てきたんだけど、彼の芸術家人生において、絵画も見逃せないね。

ミケランジェロさんの一番の代表作(絵画部門)は、アダムの創造をはじめとする、ローマのシスティーナ礼拝堂の天井画じゃないかな?
ミケランジェロ、システィーナ礼拝堂天井画(部分)
Michelangelo, Sistine Chapel ceiling(part)

アダムの創造というのは聖書からとられた題材で、聖書の中では神がアダムに息を吹き込んで命を与えたとされてるんだけど、ミケランジェロさんの絵では、指から指へエネルギーが伝わる感じで描かれているね。

ミケランジェロ、アダムの創造(部分)
Michelangelo, The Creation of Adam(Part), Sistine
1980年代のE.T.ブームを予見するかのような構図

【参考】E.T. DVD

さすがにこの時は、

最高の芸術家はいかなる着想も持たない
唯一漆喰が自らのうちに境界を定めた
形象のほかには

とかは言わなかったから安心して。そこまで中二病患いじゃないからね、あの人も。

それよりも彼が悩まされていたのは、この仕事と同時並行で行っていた教皇ユリウス二世のお墓の設計と彫刻の仕事さ。

天井画の仕事もユリウス二世からの発注だから、発注主は同じなんだけど、教皇は気分がコロコロ変わる人で、その時自分が一番興味ある仕事を先にやらせたがる人だったの。

ラファエロ、ユリウス二世
Raphael, Pope Julius II, National Gallery London
僕が描いたユリウス二世の肖像画だよ

最初は「俺のために威厳あるお墓を作って」って言ってたのに、1年とたたずに「芸術とか一旦休憩ね。俺、戦争行ってくるわ!」と気が変わり、さらには、「戦勝記念碑作ってよ」という注文にこたえて、やっと次はお墓に取り掛かれるかと思ったら、「やっぱり礼拝堂の内装の方を先に」と、最初のお墓の話が延び延びになっちゃったの。

ミケランジェロさんは余りの奔放さに嫌気がさしちゃったのか、フィレンツェへ帰っちゃったこともあるんだけど、その間に僕が勉強のために制作現場に入ったことを、スパイだなんだって後々すごく責められたんだよ。ただ、同じローマで仕事してたから、先輩の作品を見せてもらおうとしただけなのに。

他にも、教皇の気持ちがコロコロ変わるのは僕が嫉妬して、教皇の興味をお墓の仕事からそらそうとしてるってトンデモ説を言い出したりして・・・僕は普通に尊敬してたんだけどな。そういうとこあるんだよね、あの人。

ミケランジェロさんの注目すべき作品はまだまだたくさんあるんだけど、ちょっと長くなっちゃったから今回はここまで!次回は、「ミケランジェロさんと筋肉」という視点から、彼の作品を見ていくよ。

それじゃあまたね。Ciao!

【参考文献】

ミケランジェロ日本語版、ブルーノ・コンタルディ/ジューリオ・C・アルガン、Giunti

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