2017/07/11

【B☆R】バルベリーニ広場とS.A.D.F教会

街中の給水所。命の水!
Ciao!

7月のローマはとにかく暑かった!ローマの街中には、いろんなところに給水所があるから、小まめに水分補給をしながら歩いてね。

知らない人との会話のきっかけは、やっぱりお天気の話題だよね。ローマでも、電車で隣になったお姉さんに「今日も暑いですね~」って話しかけたら、涼しい顔で「あら?そうですか?」って言われちゃった。

話をしてみると、彼女はイラン南部の街の出身で、夏には気温が50度くらいまで上がる地域なんだって。ローマもかなり暑かったけど、上には上があるんだねぇ。「夏のイランにはいくまい」と心に誓ったよ。

さて、今回のベルニーニ☆ツアーは、バルベリーニ広場と、サンタンドレ・デッリ・フラッテ教会を巡るよ。


チェックポイント2:バルベリーニ広場、トリトーネの噴水ほか

ベルニーニさん関連の見どころが多いからぜひ訪れてほしいが、バルベリーニ広場とその周辺。まず、広場で出迎えてくれるのがトリトーネの噴水。

ベルニーニ、トリトーネの噴水
Bernini, Fontana del Tritone

水が抜かれてて、からっからだったのが残念だったよ。水が出てないと、貝殻で水を飲んでるみたいに見えるけど、実際は水を噴き出してるんだよ。

ベルニーニ、トリトーネの噴水
水のない状態で横から見ると、正座して一気飲みしてるみたい

水をたたえた状態がこちら。

wikipediaからお借りしました。

この作品は、ベルニーニさんの噴水作品の中では一番最初のもので、45歳の頃の作品だよ。(その前にお父さんとの合作はあるけどね)

ベルニーニさんのパトロンは、時の教皇ウルバヌス8世だったんだけど、その紋章である蜂の意匠も彫られているよ。ちなみに、ウルバヌス8世は広場の名前にもなっている名門バルベリーニ家の出身。

蜂はバルベリーニ家の紋章。
その上の教皇冠と聖ペテロの鍵は教皇を示す紋章。

この作品の完成の翌年1644年に、ウルバヌス8世が無くなってしまいベルニーニさんは強力な後ろ盾を失うことになる。タイミングの悪いことに、その3年前の1641年には、ベルニーニさんが設計したサン・ピエトロ大聖堂の鐘楼にひびが見つかって、彼の実力に対して悪い評判が立ち始めていた時期とも重なってしまったんだ。

このことからウルバヌス8世の死後、彼は一旦ヴァチカンから遠ざかることになってしまうんだ。最終的には、自分を支持してくれる教皇に巡り合って、また戻ってるんだけどね。

広場の端(ヴェネト通りの入り口あたり)には、ベルニーニさんのもう一つの作品「蜂の噴水」もあるよ。
Bernini, Fontana delle Api
wikipediaからお借りしました。
1644年46歳の作品

トリトーネに比べるとずいぶんとシンプルなこの噴水は、もともとは馬の水飲み場として考案されたものなんだって。だから、水盤が広いんだね。

貝殻の碑文には「ウルバヌス8世教皇 ー以前にもパブリック・オーナメントとして市民向けの噴水を作ったー はこれを皆が使える公共施設として建てる 1644年任期21年目」と彫られているよ。以前に作った噴水っていうのは、トリトーネの噴水のことね。

この碑文はウルバヌス8世によって考えられたもので、原文では「任期22年目」となってたらしいよ。でも、彼は任期20年と358日で亡くなっちゃったから(惜しい!)、21年目として碑に刻まれることになったんだって。

ところで、さっきこの噴水は馬の水場だったって言ったじゃない?じゃあこのラテン語の碑文はいったい誰が読むんだろう?水を飲みに来た馬かな?これぞまさに、「馬の耳に念仏」ならぬ「馬の目にラテン語」だね。

さて、広場からほど近い場所にはバルベリーニ宮殿もあって、今は美術館になっているよ。ベルニーニさんはこの建物の設計にもかかわったんだって。美術館には彼の作品も、僕の作品もちょこっとあるから見に来てね。

La Fornarina by僕
僕の最愛の人。今見ても切なくなっちゃう。


バルベリーニ広場へのアクセス
メトロA線 Barbenini駅下車すぐ

美術館へのアクセス
広場からQuattro Fontane通りにでて、徒歩すぐ
開館時間:8:00~19:00
休館日:月曜日、1/1、5/1、12/25
webサイト:http://www.barberinicorsini.org/en/
地図はページの一番下


チェックポイント3:サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会

バルベリーニ広場から向かいやすい次のチェックポイントは、サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会。サンタンドレアっていうのは、聖アンドレのことさ。

中村光先生、聖☆おにいさん
左がアンドレ。
右は兄のペトロ。

教会の外観は、アンドレっぽくてあんまり目立たない感じ。

シンプルな外壁装飾

この教会の中央祭壇を左右で守っているのがベルニーニさんの天使像2体。


サンタンジェロ教会の前の橋にある天使像のオリジナル作品だよ。

サンタンジェロ城とサンタンジェロ橋

橋の上のコピーは風雨にさらされて汚れちゃってるけど、オリジナルはピカピカのまま!

祭壇に向かって右側の天使。
手ブレ写真でごめん。室内が暗かったんだ。

ダイナミックに風になびいているワンピース(?)の裾が、石とは思えない柔らかな感じなんだよね。硬い石から、どうしてあんなに柔らかな質感を出せるんだろう?

2体とも柵も覆も無くてすぐ横まで行けるから、ベルニーニさんの神業をじっくり見るにはおすすめの場所だよ。


サンタンジェロ・デッレ・フラッテ教会へのアクセス
メトロA線 Barbenini駅またはSpagna駅下車 徒歩5分ほど
開館時間:10~6月 6:15~13:00 / 16:00~19:00
7月~9月 6:30~12:30 / 16:30~20:00
住所:Via di Sant'Andrea delle Fratte, 1, 00187 Roma
webサイト:http://www.santandreadellefratte.it/


それでは、今日はこのへんで!Ciao!



【参考文献】

この本の英語版

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